語り

インコの対立

唐突だが、我が家で飼っている二羽のインコ、その対立について語りたい。 まずその二羽を紹介しよう。 チョキちゃん。 セネガルパロット。 和名はネズミガシラハネナガインコで、その名の通り頭部はねずみ色。羽は黄緑色。腹部は黄色で、この部分がV字を描く…

イメージで打つ大正義マンガン理論

去年はウザク本*1、平澤本1*2、平澤本2*3やカニ本*4、押し引き本*5などを読みあさった。 どれも良書で、中級者を対象として書かれている。 どの本からも学ぶところはあるが、言ってしまえば、どの本も書いていることは一緒というか、どこかで読みかじった…

チョキグリ

茨城のペットショップではしょっちゅう喧嘩ばかりしていたインコのチョキちゃんとグリちゃんも、お客さんに買われて東京へ越してきたとき、ここには自分たちふたりしかいないのだ、ふたりで寄り添って生きていくしかないのだと観念したのか、仲良くなった。 …

愛と勇気だけが

アンパンマンマーチにあるよね。 「愛と勇気だけが友達さ」 小学生たちが笑うよね。 愛と勇気しか友達いないのかよー。 ってね。 でも大人になると笑えないよね。 愛と勇気だけが。 だけが友達。 すごいことだ。 ふつうは怠惰とお友達になってるはずだ。 し…

数の抽象性とか かけ算の順序とか

かけ算の順序について、 結構前から話題になっている。 ブクマ巡りをしていても頻繁に目にする。 僕自身はこの話題について積極的な言及は控えてきた。 さわらぬ数学(算数だが)に祟りなし……である。 しかし、どういうわけかつい最近思い出したのだ、ずっと…

失笑

ここのところブログの更新をしていなかったようだから更新しようと思いたった。 ところで自分のブログに対して《更新していなかったようだ》と推量を用いるのは妙な気もする。自分のブログであるしウェブ上の履歴であるから即座に確認できる。さらには大雑把…

問題点と層の話

どうにも小説がうまく書けなくなって、もう一年経つことになる。 放っておけば自然に解決されるだろうと、必死に楽観視していたが、これといって改善されなかった。非常によろしくない事態である。 しかし少しずつだが問題の核心が見えてきた。 僕はもともと…

子ブタ三兄弟

偉大なる長兄から次男坊へ この度は独立して家を建てねばならぬことになったが、 諸君の偉大なる兄は建築を億劫に思っている。 ゆえに藁で家を建てようと思う。 雨風を防げればそれでよいのだから。 しかし狼に襲撃される恐れは拭えぬ。 そこで貴殿の家には…

美しき世界

ばあちゃんが白内障の手術を受けている。 なんでも片目ずつ手術するそうで、右目か左目か知らないけど どちらかの目は去年末に手術が済んでいる。 正月前におせちを届けにばあちゃんの家へ訪れたとき、ばあちゃんは空が青いことに驚いたと言っていた。 なん…

七年目の浮気

「七年目の別離」 肌身離さずは大嘘だけど 長いつきあい 腐れ縁。 別れの話を囁く周囲 背に腹は代えられん。 僕は君を好いているけど そんなことはお構いなし。 外部が別れをせかすから 黙っていいなり 愛想なし。 それの扱いが恋人への態度 心理テストがい…

チーズさえあれば、もう何も怖くない

日々の激務に自分を見失いそうな日々ですが(なんだこの悪文は。ヒビが入っているぞ)、先月はブログ更新一切無しだったこともあって、衝動的に更新しちゃいます。 はい、チーズ 突然ですがチーズの話です。 皆さんは6Pチーズを御存知でしょうか。ウィキペデ…

正しいものは、これじゃなくても

歳を取らない人と言えば、まずはじめに漫画家の荒木宏彦が思い浮かび、その次にスピッツのヴォーカルを務める草野正宗が思い当たる。僕が青春の真っ直中を過ごしていた頃からマサムネは透き通るような歌声を発していた。当時、ラジオから偶然流れてきたその…

MacBook Air 11インチ欲しい!

文学系のエントリを期待している数少ない読者さんには申し訳ないんですけど、今日は近況報告でもしようかなと思います。(いや実際はタイトルの通り「MacBook Air 11インチ欲しい!」を叫ぶためだけのエントリなんだが) でもkeiseiryokuの近況とか誰得ーっ!…

ミスター・モーニング

ミスター・モーニング。 つい最近のこと。カラオケで、この曲をふっと思いだし、高校の頃に合唱コンクールで歌ったので大丈夫だろうと、試しに歌ってみて惨敗した。音が高すぎた。男子の低い音程を歌っていた私には到底出せないレベル。帰宅してYOUTUBEで聴…

多忙であると推測される

七月に入って所属する部署が変わり、検査員のやうな立ち位置からクレエム対処係のやうな立ち位置へ変わつたことで、出勤時刻も午前六時であつたところが午前八時になつた。夜勤もなくなつてしまつた。周囲はそれで楽になったであろうと私の肩を叩く。さうで…

君が来ることを知っていた

君がうちに来ることは、君の存在を認知したときから分かりきっていたんです。朝礼で社長が話してくれたときから僕には分かっていたんです。社長はいいました。幻のー(ではなくてー)、あー、究極のー、讃岐うどんとやらが、十個贈られてまいりました、えー…

死体安置所

うちにはトドがいた。みなさんの家にも一頭ぐらいいるのじゃないだろうか。床の上で寝入ってしまう生き物が。ぐでーんとか、どどーんとか、そんな感じでふてぶてしく脱力して場所を取っていびきを掻いているやつが。揺すってもなかなか目を覚ましてくれず、…

ささいな夢

焼いたCDから槇原敬之の『どんなときも』が流れていた。 どんなときも どんなときも ビルの間 窮屈そうに 落ちていく夕日に 焦る気持ち 溶かしていこう 赤信号で停車する車。普段と違って人気のない歩道。時間が止まっていた。特別美しく見える夕日を見なが…

モグリ

書かなければ時間がない。決定的に――。 平日は忙しい。書くためにはまとまった時間がいる。短い時間を数珠繋ぎにつなぎ合わせることでは到底辿り着けない境地がある。そこは深いから、潜っていくために準備運動が必要だし、息をたっぷり吸い込まなくてはいけ…

俺の赤い星

面白い漫画やアニメって、美味しそうな食事シーンが多いよね、と彼はいった。僕の脳裏には「モニュ、モニュ」と肉を食べるグラップラーの姿や骨付きの肉にかぶりつくジブリスターズの面々がよぎる。彼もその辺りを語るだろうと思って、相づちを打ちながら話…

セキセイインコのセイテキコウフン

ペットを飼うことに否定的な意見を持つのは、単純に彼の世話をするのが億劫だからだ。糞便が汚いということもあるし、餌をやる出費のこともあるし、何より、死なれては気分が悪い。あるいは病的な強迫観念のせいでもある。籠に入れられている鳥、ケージをう…

狭い路地に路駐するやつってなんなの

季節柄、蝉なんて鳴いちゃいないけど、季節が季節であっても蝉なんて鳴いちゃいない早朝であれば三十分で到着できる会社に、昨日は一時間以上かかったし、タイムカードを押したのは遅刻になる三分前、ギリギリセーフ。夜勤ですよ日勤のみなさんは早く帰って…

同じポーズ

日の昇らぬうちに出勤し、日が沈んでから退社する日々に現実を疑うが、それよりも信じがたいのは土曜日から日曜日に日付が変わるそのときについに仕事が終わって、神聖なる安息日が穢れることだ。日曜日は満ちた月のように一秒の欠落もなく安息日でなければ…

サボテンの花

中学三年生の修学旅行は北海道だった。綺麗なガラス細工の小物を売っている店でミスチルの曲がオルゴールで収録されているCDとサボテンのガラス細工を買った。前者は千円だったが後者の値段は覚えていない。 小さなサボテンの置物はコーヒーキャンディのよう…

虫の囁く夜

家を出る時刻も、会社を出る時刻も、空は闇に包まれている。常に曇って灰色の印象を抱かせる冬は今年の私を訪れてはくれない。稀に会社の窓から見る外の風景は澄んだ青空に満たされて、どこか暖かそうに映る。本当はきっと、寒いのだろう、それは暖房の行き…

地球外生命体は宇宙(そら)にいればよかったのだよ

ねえ、職場に出てこないでよ、うちは曲がりなりにも、いや曲がっちゃいないけどさ、食品のパッケージが生産量の過半数を占めている会社だよ、そこに君が混入したらどうなるか分かってる? 大変なことになるんだよ? ねえ、ちょっと、何拗ねてんの? そんなふ…

風車

「風車」 なあ、知っていたか? 俺はお前を見るといつだってドン・キホーテを思い描いていたんだ。 真っ白にそびえ立ってるお前にさ、槍を掲げて突っ込んでいく老人の姿がさ、目に浮かぶんだ。 どうあがいたって避けられやしないさ。漫画の言葉を借りるなら…

午前零時四五分、吉野家で

あれはまだ盆休みが訪れる前、朝には蝉が喝采し、時計の針が進めど進めどお天道様が遅くまで空に居残って子供達に夜更かしを促していた頃だったと思う。もっとも、僕は夜勤の周期にあったから、蝉の合唱も子供の声も記憶になかった。あの日、僕は午前零時丁…

真実の在処

ありか - 詩歌ノート - hakoniwaグループ −−−−−−−−−−−− 人は皆、よりよきものを求めて旅をしているのでしょう。安っぽいJ-POPが歌うような「退屈な日々」「繰り返しの日常」の檻に閉じこめられてしまった人たちをも、比喩――人生がよりよきものを求める旅だと…

青葉立つ 汗したたりて 膝笑う

はじめに 諸君、夏であります! 世間ではとうに夏の到来を堪能していたのかも知れませんが、私はまだとんと夏を感じておりませんでした。 工場勤務では蝉の鳴き声もどこか遠く、日差しも強いのかどうかよく分からなかったのです。夜、蒸し暑く眠りにくいくら…