語り

土曜日は去りゆく

今週のはじまりは雨だった。夜勤から日勤に切り替わったばかりで体内時計は狂っていた。前日の昼寝がきいていて睡眠時間は肉体にとって十分量だったのだろうが、時計の歪みを修正できるか否かには無関係で、遅延に遅延を極めた大便の訪問が短針の迷子を教え…

お瑕疵い木目ちゃん、出逢いと別れと再会とこれから

親指の腹の中央から少しはずれたところに、象が踏みつけてぺしゃんこにした目玉焼きのような茶色がある。指紋と相まって木目のように見えるそいつを弟や妹たちはほくろと呼んだ。お兄ちゃんは指にほくろがあるんだね、指にほくろなんてできたんだね。そのた…

昨日は金曜日だったんです。

出発の時刻はいつもなぜか二、三分の遅れを伴って、僕は忙しなくアクセルを踏み、現実修正、現実修正と呪文を唱える。そうやって頭を切り換えないことには路上で何をしでかすか分からない。大通りに出る頃には午後五時になっている。学校帰りの学生、やんち…

魂は栄養失調中(だから私はポエム唱える)

(鰤さんの祈りに関するエントリを読んで、ふっと思ったことを書くのだが、トラバ送るほどでもないと思って独りでぶつぶつと……) 神がいたならばいいのに。神様がいらっしゃったらいいのに。そんなふうに思ってしまった。何か大いなるものに接していたい。人…

ある朝の語り

前の休日、私はどこにいたでしょうか。もちろん覚えています。部屋で小説を書いていました。仕事と執筆に時間を取られ読書をしなくなった私は、休日もまた『存在の耐えられない軽さ』に数ペエジ目を通しただけで読書をやめてしまったのでした。それから、の…