風車

 
 
 「風車」
 

 
 なあ、知っていたか?
 俺はお前を見るといつだってドン・キホーテを思い描いていたんだ。
 真っ白にそびえ立ってるお前にさ、槍を掲げて突っ込んでいく老人の姿がさ、目に浮かぶんだ。
 どうあがいたって避けられやしないさ。漫画の言葉を借りるなら《コーラを飲んだらけっぷをするのと同じくらい確実》だろう?
 俺もさ、もうすぐそっちへいくよ。
 だからさ、しっかりと跳ね返してくれよ、手加減なしにさ。さもなきゃ勘違いしてるって気付かないんだから。手痛い一撃、現実のしっぺ返し。
 でも最高だろうな、目が醒めたらお前と青空、グローブみたいな雲、だだっ広い傾斜の空間。くるくる回る風車の影に撫でられてぎょっとしたりしてな。そしたら本当に最高だろうに。