2009-01-01から1年間の記事一覧

この季節には必ず

はじめに 雪の降る季節になると、雪が降らずとも、忠臣蔵を思い出します。 といっても、私は忠臣蔵をよく知らないのですが。 私の知っている忠臣蔵の知識はすべてドラマ由来です。あれは2004年の冬でした。松平健が大石内蔵助を演じていました。 当時、大学…

ドドド、それは恋の擬音

『ジョジョの奇妙な冒険』という漫画は、能力バトル漫画の始祖にして今現在も連載中の作品です。特徴的な擬音(オノマペト)でよく知られてもいます。 キスシーンで「ズキュウウゥン」 カエルを殴るシーンで「メメタァ」 を筆頭にいくつも候補が思い浮かびま…

断片:今日読み返した一段落

レイラは強引にマキシマム*1を先行させ、その後ろを進むよう心がけていた。若い馬の尻を押し込む彼女の手は広かった。その指先があのぼんぼんの目をえぐったのだったな、と僕は思い返していた。時々信じられなくなる。この明朗な娘が僕の目の前で人を殺めた…

お前のような

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1352754.html 相変わらず何が痛いのか分からない「痛いニュース」である。 2chの反応が痛いということなのだろうか。 そうはいっても日頃から何か一言言いたくなるサイトとして「痛いニュース」は意義がある。重宝…

虫の囁く夜

家を出る時刻も、会社を出る時刻も、空は闇に包まれている。常に曇って灰色の印象を抱かせる冬は今年の私を訪れてはくれない。稀に会社の窓から見る外の風景は澄んだ青空に満たされて、どこか暖かそうに映る。本当はきっと、寒いのだろう、それは暖房の行き…

推敲終わった

二ヶ月半かかったが、ようやく自作の物語の推敲が終わったので、サブアカのほうで更新していく予定。 二ヶ月半……、長かった。長かったが推敲し足りない。し足りないが、完成を待っていては終わらない。読書時間も執筆時間も削って推敲した。 大長編のパート…

お絵かきできる人っていいな

ハイクなんかで気楽にお絵かきなんかしちゃったりしてる人たちが羨ましい。 私は絵心とは無縁だから。 全然、絵を描いてこなかったし、今後も描くつもりがないから上達のしようもない。 うまくなりたきゃ描け、と言う人がいるかもしれないが、たとえば授業中…

更新していないことが更新の動機

「線路」 「線路は続くよどこまでも」 と歌う子供の見る先は 一体どこへ通じているのだろう。 決して重なり合うことのない二本のレールは その実、分かれを知らぬ夫婦の鏡。 どこまでいっても適切な距離を保ちながら役目を全うするだろう。 錆かかった線路の…

『いちねんせい』と僕

あの奇妙な絵本が家にやってきたのはいつの頃であったか。とんと記憶にない。いつの間にか家にあった。母が買ったのではないらしいことは覚えているが、それすらも確かな事実とは言い難い。 その絵本は題名を『いちねんせい』といい、小学生の頃、文字を読む…

断片:自明性の彼方に

彼が部屋に入ると早速靴下を脱ぎ始めた。そして靴下を手につけて私をテーブルへ案内してくれた。私は彼と一緒にテーブルについて、向かい合った。彼は神経質そうに眉間にしわを寄せて痙攣的に動かしていた。彼はうっかりと脱ぐのを忘れていた帽子を脱いで席…

カタがつきました

http://d.hatena.ne.jp/keiseiryoku/20091013/1255434629の追加報告。 会社に出て行ったら、現場に入った直後にGが出現。 紙のガムテープを用いた前回と同じ轍を踏むまいと、今回は布のガムテープを使った。粘着力が段違い。もがくGが、ちょっぴり素敵に輝い…

季節の精霊

保育所の頃、読んでもらった絵本には、 地下に住む小さなおばあさんの出てくるお話があった。 冷たい冬を越えて、 緑色のイチゴが艶やかに朝日を浴びる。 おばあさんは地下から出てきてイチゴを赤に塗り替えていく。 僕は少しのあいだ、イチゴが食べられなく…

折に触れては読み返す、『文章教室』

昨日は土曜日だというのに仕事があって朝の四時に起きて六時から働きはじめ、ひとりきりで二つの機械を動かし、定時で帰宅する楽しみを雨上がりの空に見上げたのだが、帰宅途中に今週の疲れが汗と共にじんわりと滲み出て、ガソリン代と車の安全点検と車検ま…

真珠が誰に似合うかって

「バーラムユー、 バーラムユー、 羊毛を纏う者達に変わらぬ忠誠を、 変わらぬ愛を、 バーラムユー」 スタンプになるか一度は試してみたいキュートなお鼻に「プリティ」三回 耳のタブにはナンバータグ とろんとしたお目々? とんでもない! 何かに躓いて転び…

地球外生命体は宇宙(そら)にいればよかったのだよ

ねえ、職場に出てこないでよ、うちは曲がりなりにも、いや曲がっちゃいないけどさ、食品のパッケージが生産量の過半数を占めている会社だよ、そこに君が混入したらどうなるか分かってる? 大変なことになるんだよ? ねえ、ちょっと、何拗ねてんの? そんなふ…

たぬきのたを一文字変えるとてぬき

チキンラーメンにチーズを入れたらどうなるだろうと思ってやってみたら、あにはからんや好みの味。しつこい奴らが絡み合う。卑猥じゃないよ。 口に入れるとチーズの濃厚な味わいがモハメド・アリのラッシュのごとく襲いかかってくる*1。後味で酸味がむくりと…

仰げば尊し

ふんわりまっしろ襟巻きの君 いつまでもうつむいていちゃいけないよ 太陽と同じ明るい顔は 未来を見据えてこそ輝くよ ミツバチ先生両手を叩いて 「空にはクジラの雲が泳いでいるよ」 みんな窓から乗り出し大空仰ぐ えっ? えっ? どこ? どこ? ほら騙された…

妹観察記:子供の笑いの感性

前置き(本筋とは無関係の日記) 今日は祭があって、通りに人が溢れていました。自転車で買い物に出かけたのは正解でした。自動車だったなら気の短い私は我慢ならなかったでしょう。はっきりいって祭は嫌いです。 エバ・グリーンには泣き叫んでいる子供がい…

メモ:今朝書いたもの

僕はリヴの塔に入学してからの数日、三食のほとんどを学生食堂に頼っていた。巨大な食堂はスプーンやフォークといった慣れ親しんだ道具の方が食べやすい料理をメニューにいくつもそろえてくれていたので、僕は箸の扱いの稚拙さを克服する必要に迫られること…

20分執筆活動

http://d.hatena.ne.jp/nakamurabashi/20090926/1253895012 二十分で何が書けるか分からないが、とりあえずキッチンタイマーをセットして、はいスタート。ていうかもうスタートしていますね。このキッチンタイマーはそもそも二度寝用に購入したものなんです…

筆銀物語

ポケットに手を入れて、ふてくされ気味に歩く。えっちらおっちら、短い足を前へ、前へ。 「よう」 一匹がいった。 「もうこのへんでいいんじゃないか」 「いいんじゃないかって、なにが?」 先頭を歩く彼が振り返りもせずにいう。 「別に。いってみただけさ…

創作とは私と精霊の奇妙な共同作業であるということ

hiroさんのハイクで知ったエリザベス・ギルバートのスピーチ 「創造性をはぐくむには」を見ました。 http://www.ted.com/talks/lang/jpn/elizabeth_gilbert_on_genius.html リンク先の動画には日本語字幕もついていて助かります。 スピーチは19分32秒あ…

風車

「風車」 なあ、知っていたか? 俺はお前を見るといつだってドン・キホーテを思い描いていたんだ。 真っ白にそびえ立ってるお前にさ、槍を掲げて突っ込んでいく老人の姿がさ、目に浮かぶんだ。 どうあがいたって避けられやしないさ。漫画の言葉を借りるなら…

午前零時四五分、吉野家で

あれはまだ盆休みが訪れる前、朝には蝉が喝采し、時計の針が進めど進めどお天道様が遅くまで空に居残って子供達に夜更かしを促していた頃だったと思う。もっとも、僕は夜勤の周期にあったから、蝉の合唱も子供の声も記憶になかった。あの日、僕は午前零時丁…

今週のお題「夢」のあるアニソン

今週のお題が 夢 ということで。 アニソンに「夢」はつきもの! アニソンフォルダが火を噴く! Stand Up to the Victory /機動戦士Vガンダム 最近お気に入りのアニメ。小学生の頃、塗り絵をしていてガンダムの目を黒くぬってしまい、上級生に「このガンダム…

関西弁ですやん

今日も今日で労働してきたで。 仕事してきたやなくて労働してきたやで。 休憩中にテレビを付けたら「めちゃイケ」やっとったねん。 テレビを見いへん私はそれが「めちゃイケ」やって分からへんかったんやけどパートさんが「めちゃイケ」やゆうんで、きっとめ…

静かに死ねぬ老人の罰は娘の命をも巻き込むのか

『リア王』を読み終わった。 光文社古典新訳文庫 安西徹雄訳 作者はもちろんシェークスピア。 序盤、リアはただの癇癪玉、頑固オヤジ Wikipediaから引用しますに―― ブリテンの王であるリアは、高齢のため退位するにあたり、国を3人の娘に分割し与えることに…

いってもわからぬ馬鹿ばかりか!

――大学時代、研究室にて―― スリランカ人「これ臭いよネー」 四回生男「毎回たまらんわホンマ」 私「ふうん……、そうやね……、ちょっと、うっすら、臭ってくる感じ……」 四回生男「液体窒素冷たいし」 私「でも、あれやね、ちょっとだけいい匂い……」 スリランカ…

真実の在処

ありか - 詩歌ノート - hakoniwaグループ −−−−−−−−−−−− 人は皆、よりよきものを求めて旅をしているのでしょう。安っぽいJ-POPが歌うような「退屈な日々」「繰り返しの日常」の檻に閉じこめられてしまった人たちをも、比喩――人生がよりよきものを求める旅だと…

入浴直後のエントリ投下

食べることが億劫でしかたがないという体験はないだろうか。あるいは、食べることが億劫で仕方がなかった年代があったりはしなかっただろうか。 生活に欠かせない行為を面倒くさがったり時間の無駄と捉える人は結構いるものと思う。若者ほどその傾向が強いだ…