読書

人生論ノート――怒について

怒について。 この項目では冒頭からキリスト教について語られています。 キリスト教について少し予習しておくとしましょう。 アダムとイヴが禁断の果実を食べたため、神の怒りを買い、楽園を追放されたというくだりはみなさんご存じかと思います。 そのせい…

じゃんげまの単行本が発売された件

ブログ更新久しぶり。 はてなダイアリーって寿命あとどれぐらい? いつかはてなブログへ強制移設されるんだろうなぁ。 いや、そんなことを話したいわけではない。 今回は junk gaming maiden こと 『じゃんげま』の話がしたいんだ。 これは四コマ漫画のタイ…

ウザク本

なにやらウザク本第二弾が出る予定らしいので、第一弾の感想を遅まきながら、やる。 ウザク本第一弾。 すなわち『麻雀 傑作「何切る」300選』 麻雀 傑作「何切る」300選作者: G・ウザク,福地誠出版社/メーカー: 三才ブックス発売日: 2016/08/06メディア: 単…

イメージで打つ大正義マンガン理論

去年はウザク本*1、平澤本1*2、平澤本2*3やカニ本*4、押し引き本*5などを読みあさった。 どれも良書で、中級者を対象として書かれている。 どの本からも学ぶところはあるが、言ってしまえば、どの本も書いていることは一緒というか、どこかで読みかじった…

麻雀と博打の親和性〜麻雀放浪記を読んで〜

麻雀放浪記、青春篇を読みました。 麻雀放浪記 1 青春篇 (文春文庫)作者: 阿佐田哲也出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/10/10メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 8回この商品を含むブログ (27件) を見る 帯を見ると藤田晋社長の推薦文が書かれています…

麻雀本放浪記

前回に引き続き、新たに読んだ麻雀本の感想を書く。 『現代麻雀技術論 実践編』 『麻雀基本形80』 『魔神の読み』 以上の三冊を読んだ。 どれも良書だったが、とりわけ上二つがまさに求めていた内容だった。 『現代麻雀技術論 実践編』 もっと勝つための現代…

イギリス文学が好きだったらしい

灯台へ (岩波文庫)posted with amazlet at 14.02.05ヴァージニア ウルフ 岩波書店 売り上げランキング: 116,774Amazon.co.jpで詳細を見る バージニア・ウルフの『灯台へ』は僕が知っている小説の中でも五指に含まれる名作だ。至高の小説の一つといっても過言…

【呟き】かわいくはないと思う

脱力したので、勢いで書いておく。 灯台へ/サルガッソーの広い海 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-1)posted with amazlet at 13.10.11ヴァージニア・ウルフ ジーン・リース 河出書房新社 売り上げランキング: 290,917Amazon.co.jpで詳細を見る 『灯台へ』…

人生論ノート――名誉心について

p45 名誉心と虚栄心とほど混同され易いものはない。しかも両者ほど区別の必要なものはない。この二つのものを区別することが人生についての智慧の少なくとも半分であるとさえいうことができるであろう。名誉心は極めて容易に虚栄心に変ずるものである。個々…

数珠繋ぎのメモ帳 『嵐が丘』の実況録

おおエミリー 数多の先達が血肉や魂で作ったというのに そなたはそれを骨で成したのか 開幕自作ポエムですみません。 今回も『嵐が丘』です。 岩波文庫から出ている河島弘美訳をはじめて読んだときに一章ごとにメモを取っていたので、それをまとめて今回のエ…

雲の上に王国を描く偉大な精神に惹かれて

嵐が丘(上) (岩波文庫)posted with amazlet at 13.07.14エミリー・ブロンテ 岩波書店 売り上げランキング: 42,287Amazon.co.jpで詳細を見る嵐が丘〈下〉 (岩波文庫)posted with amazlet at 13.07.14エミリー ブロンテ 岩波書店 売り上げランキング: 43,498Am…

レトリック感覚 自分用まとめ

書評に類するブログ記事を書くということは、 その書物を二度読むということであった。 直喩だとか隠喩だとかいったレトリックの名称それ自体は中学・高校の国語の授業で習うものだし、国語便覧を繙けば必ずまとめられている。(手元の『最新国語便覧』では…

『人生論ノート』――虚栄について

▼p39 虚栄は人間の存在そのものである。人間は虚栄によって生きている。虚栄はあらゆる人間的なもののうち最も人間的なものである。 三木清『人生論ノート』 五つめの章――虚栄について 人生論ノート (新潮文庫)posted with amazlet at 12.07.01三木 清 新…

人生論ノート――習慣について

▼p34 私が恐れるのは彼の憎しみではなくて、私に対する彼の憎しみが習慣になっているということである。 それでは、実に10ヶ月ぶりになりますが、人生論ノートのエントリをはじめさせて頂きます。 三木清『人生論ノート』 四つ目の章――習慣について人生論…

表現の恐怖と羞恥

中村光夫『風俗小説論』エントリ 蛇足風俗小説論 (講談社文芸文庫)posted with amazlet at 12.04.23中村 光夫 講談社 売り上げランキング: 210777Amazon.co.jp で詳細を見る中村光夫 『風俗小説論』 p30-31 この「言いがたき秘密」を胸底に抱いていたとき、…

近代リアリズムの崩壊について

中村光夫『風俗小説論』エントリ第4回。風俗小説論 (講談社文芸文庫)posted with amazlet at 12.04.23中村 光夫 講談社 売り上げランキング: 210777Amazon.co.jp で詳細を見る プロレタリア文学と新感覚派文学 P115 「新感覚派文学もマルクス主義文学も、共…

日本の近代文学の遷移

中村光夫『風俗小説論』エントリ第3回。 のはずが、内容は中村光夫と無関係。 今回の一連のエントリを書くに当たって文学史のおさらいをしたが……おさらいもなにも、そもそも もとから頭に入っていなかったようだ。 調べてみるとごちゃごちゃしていて頭に入…

近代リアリズムの変質について

中村光夫『風俗小説論』エントリ第2回。 風俗小説論 (講談社文芸文庫)posted with amazlet at 12.04.23中村 光夫 講談社 売り上げランキング: 210777Amazon.co.jp で詳細を見る 西欧と日本の自然主義文学比較 西欧文学史で近代自然主義が台頭していた時代、…

近代リアリズムの発生について

中村光夫の『風俗小説論』の二周目を終えたので、私的メモ――まさに備忘録的な――としてエントリをあげます。 ※注意点 ・全4回のエントリ ・私(ブログ主)は日本文学に疎い。*1 ・『風俗小説論』の最後で語られる作家 丹羽文雄 についての一連の批評は氏の著…

悪態をつくことの痛快さ

「ドラえも〜ん、なにか面白い本出してよ」 「しかたないなぁ、のび太くんは。ひ〜び〜の〜あ〜れ〜こ〜れ〜」 「さすがドラえもん! で、それ、どんな本なの?」 「見当違いの批評家をコケにしているエッセイだよ。」 ・前回エントリ(2011-11-06 - 備忘録…

抱腹絶倒のエッセイ

目白雑録 (朝日文庫 か 30-2)posted with amazlet at 11.11.06金井 美恵子 朝日新聞社 売り上げランキング: 185931Amazon.co.jp で詳細を見る 金井美恵子の作品はどれも難解――というよりは読むという行為には読む対象に応じてそれなりの訓練を要するのであり…

人生論ノート――懐疑について

三木清『人生論ノート』 三つめの章――懐疑について。 人生論ノート (新潮文庫)posted with amazlet at 11.09.14三木 清 新潮社 売り上げランキング: 24092Amazon.co.jp で詳細を見る 節度ある懐疑について この章の主題である「懐疑」については、特に難しい…

The Long Goodbye

レイモンド・チャンドラー作の『The Long Goodbye』は、2007年に村上春樹訳が『ロンググッバイ』の題名で出回っているため御存知の方も多いと思うが、私は清水俊二訳の『長いお別れ』で本作に触れた。私立探偵のマーロウ氏により一人称で語られるハードボイ…

『人生論ノート』で読み解く『まどか☆マギカ』

哲学者 三木清の散文集『人生論ノート』の「幸福について」の章を引用し、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の登場人物が幸福であったかを説く。 自分が幸福であること 幸福は徳に反するものでなく、むしろ幸福そのものが徳である。もちろん、他人の幸福につ…

『人生論ノート』――幸福について

人は誰でも、幸せ探す、旅人のようなもの 疑いなく確かなことは、過去のすべての時代においてつねに幸福が倫理の中心問題であったということである。ギリシアの古典的な倫理学がそうであったし、ストアの厳粛主義の如きも幸福のために説欲を説いたのであり、…

真の小説嫌いが書いた最上の小説

キャッチコピー 著者:アンドレ・ブルトン 題名:ナジャ 1926年 『ナジャ』が世に出る 1963年 『ナジャ』著者による全面改訂版が出る この書物が多くの人の手に開かれるように、キャッチコピーを考え、本エントリの題名とした。 真に小説を批判できるものは…

読みにくい

関連する過去エントリ 語りの海を漂いながら――灯台へ - 備忘録の集積 誤訳ですね、という内容でエントリを立ち上げそうになった。前後で文脈があっていないように読めてしまう。 ▼鴻巣訳 P87 ところで、アンドルーだが、もっと勉強する気になってくれんもの…

語りの海を漂いながら――灯台へ

著者 Virginia Woolf (ヴァージニア・ウルフ) [1882-1941] イギリスの作家。モダニズム文学の旗手。 『灯台へ』は、我が人生の書の一つ。まだまだ若造の私ですが、残りの人生にこれを超える作品に出会うことはないだろうと思っています。 感想を一言でいえ…

うすぼんやりとした光

題名 愛の完成 著者 ロベルト・ムージル 発表年月日 1911年愛の完成・静かなヴェロニカの誘惑 (岩波文庫)posted with amazlet at 10.10.30ムージル 岩波書店 売り上げランキング: 414938おすすめ度の平均: きもちわるい 退屈の美学 合一Amazon.co.jp で詳細…

普通の速さで歌うように

『モデラート・カンタービレ』 著者マルグリット・デュラスのような情熱的な恋をしたことのない私には、この物語は難解すぎた。 情熱という語からはスポーティかつボーイッシュな色彩を感じるが、海を隔てたあちらのお国では、パッシオンという語には殉教・…