更新していないことが更新の動機

 

「線路」

  

 
 「線路は続くよどこまでも」
 と歌う子供の見る先は
 一体どこへ通じているのだろう。
 決して重なり合うことのない二本のレールは
 その実、分かれを知らぬ夫婦の鏡。
 どこまでいっても適切な距離を保ちながら役目を全うするだろう。
 錆かかった線路の上に降り立って
 レールの上でバランスをとる。
 隣のレールで彼女が真似る。
 伸ばした手の指先が触れ合う距離。
 子供の体格の、子供の距離。
 「線路は続くよどこまでも」
 永遠の国の見える時代。