2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧
095 第六章 - 物語の紡ぎ手と虚構の住人 朝、葉の上には露がひとしずく乗っかっていた。旅の相棒は僕よりも先に起きて、露を舌先で舐めて回っていた。相棒は、本日中に人里にたどり着けると安請け合いした。彼女はそして僕の横を音もなく通り過ぎていった。…
こう考えてみてはどうだろう? 書きたい欲望と読まれたい欲望は別個のものである、と。 どうしても読まれにくい形でしか書けず、しかしそれが自分にとって解毒作用を期待しての急務であるというのなら、そのように書くしかないのだから、逃れようがない。 だ…
ペットを飼うことに否定的な意見を持つのは、単純に彼の世話をするのが億劫だからだ。糞便が汚いということもあるし、餌をやる出費のこともあるし、何より、死なれては気分が悪い。あるいは病的な強迫観念のせいでもある。籠に入れられている鳥、ケージをう…
ライライ、ライラライ♪ ライラライラライラライ♪ ――ではなくて、この歌に出てくる「謎のおじさんバルタザール」の歌が聴きたいのに、探しても見つからない。 無性に聴きたくなってきた。 ダーダリンダデーダリン、ダーダリンダドン 頭にこびりついている。 −…
はじめに 私は脳髄の空腹を満たしてくれるような美味しい文章に出逢ったとき、ブックマークで「読み物」のタグをふってとっておくのですが、気が付けば「読み物」タグをふった記事は百を軽く越えてしまっていました。 はじめの頃こそ「読み物」タグのなかで…
なんたらかんたら: 意 味 不 明 な 歌 詞 ずーっと前にブクマして、ずーっと忘れていたのだが、ふっとなにかの拍子に思い出し、どーしても気になってしまって、どうにも我慢がならなくなって、突っ込みたくなった。 愛はコンビニでも買えるけどもう少し探そ…
季節柄、蝉なんて鳴いちゃいないけど、季節が季節であっても蝉なんて鳴いちゃいない早朝であれば三十分で到着できる会社に、昨日は一時間以上かかったし、タイムカードを押したのは遅刻になる三分前、ギリギリセーフ。夜勤ですよ日勤のみなさんは早く帰って…
「僕だってはじめのころは、ちまたでいうところの文章力を養おうとしていたんです。読点を適切に打ち、意味の取りやすいよう短い文章を心がけ、曖昧だったりどちらとも取れる表現を控えるよう努めていたんです」 「新聞記事のような……?」 「そうです。コラ…
ワンピ最新巻(57巻)を読んで、白ひげ海賊団1番隊隊長マルコが動物系の実の能力者だと発覚*1。これを受けて動物系の実についての見解をあまり目にしたことがないことに気付き、今の内に記しておこうと思い立った。もし誰も書いていないなら先駆者だ、これ…
筆銀物語 百の夜が過ぎ、百の絶食が続き、一行は氷に閉ざされた世界を歩み続けた。 彼らは口々に弱音を吐いた。吐き続けた。呼吸のように。 しかし日々がいかに過酷でもペンギンたちはいつしか慣れる。踏み重ねた弱音の上に謀叛を企てる革命家気質の血の滾り…