ふたつの渚

 
1996年リリース 『渚』
この曲により、スピッツは初のオリコン1位を獲得

 

渚はふたりの夢を混ぜ合わせる
揺れながら輝いて

 ▲サビの歌詞
 
 渚は川、海、湖で水の打ち寄せるところをいう。陸と海の境界線めいているが、それはくっきりとした線ではなく曖昧な幅を持つ、異なるものが混じり合う神秘的なエリア。
 
 
 
2000年リリース 『今』 (アルバム『ハヤブサ』に収録)
ポップ路線からロック路線への明確な転機

 

ありがとう なぜか夏の花
渚の気まぐれな風を受け
噛み痕 どこに残したい?

 ▲歌い出しの歌詞
 

いつかは 傷も夢も忘れて
だけど息をしてる それを感じてるよ 今

 ▲最後の歌詞
 
 

 渚と夢の言葉で繋がる曖昧な境界線の向こう側(ポップ)とこちら側(ロック)で、マサムネボイスに揺られながら漂う快感……
 頻出の言葉がその神秘的な領域で混じり合い、夜空に描かれる星座のように関係図が現れて……
 やがてその空間を幻視する……*1
 
 
 
 ネイビーの雲
 赤い空*2
 小さな玉砂利が足の裏をくすぐる海岸で*3
 渚はふたりの夢を混ぜ合わせ*4
 溜め息のあとのインディゴブルーの水平線*5のキラめくさざ波*6
 打ち寄せる 終わることもなく*7
 言い訳するだけ悲しくて涙しょっぱくても*8いつかは傷も夢も忘れて*9
 泡になって溶け出し*10
 溶け合いながら探し続ける愛のことば*11
 分かるはずもなく終わることもなくただ生まれる言葉を*12
 ささやいてときめいて*13
 青い猫目のビームで突き刺すような*14トビウオになれ*15
 そして輪廻の果てへ飛び降りよう*16
 誰も触れられない二人だけの国*17 眠らないで二人で行こう*18
 ガンダーラじゃなくてもいいよ、愚かなことだって風が言う、だけど……*19
 だけど息をしてる、それを感じているよ、今*20
 
 
 
 ていうかスピッツ、海が好きだな、
 海に関するワードの多さに気付いてびっくりした。
 
 
 
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 スピッツ関連の過去エントリ
 
スピッツ・ベスト10 - 備忘録の集積
正しいものは、これじゃなくても - 備忘録の集積
スピッツ・オン・ザ・ロック - 備忘録の集積
流れ星を追い越して、そのスピードを感じてる - 備忘録の集積

*1:ここから唐突にポエムタイム

*2:『船乗り』

*3:『海とピンク』

*4:『渚』

*5:インディゴ地平線

*6:『漣』

*7:『群青』

*8:『ネズミの進化』

*9:『今』

*10:『あわ』

*11:『愛のことば』

*12:孫悟空

*13:『ハネモノ』

*14:『トンガリ’95』

*15:『トビウオ』

*16:青い車

*17:『ロビンソン』

*18:『海へ行こう』

*19:『8823』

*20:『今』