連載は続くよどこまでも――鉄拳チンミlegends

 最近の鉄拳チンミの話。

 
 1983年に連載が始まった*1鉄拳チンミのシリーズは、今現在もまだ連載続行中であります!
 
 鉄拳チンミ(単行本全35巻、文庫本全18巻)
 ↓
 新鉄拳チンミ(単行本全20巻)
 ↓
 鉄拳チンミlegends(単行本全14巻、以下続刊)
 
 この事実を連載当初の読者たちは知っているのだろうか……。
 
 僕はここしばらく忘れていたw
 
 マウロン編( legends の8巻ぐらい?)までは追いかけていたのだが、そのパートが終わってから、僕の中では連載中断という認識でいたのだが……
 何かの拍子に Amazon で検索をかけると最新巻が13巻となっていて……
 今現在、最新シリーズである“legends”が14巻まで出ている。
 
 で、 legends の10巻あたりから入った最新のパートが、結構面白い。
 
 チンミは国家功労賞というかたちで中国皇帝から評価を得る。
 皇帝のお墨付きの武術家となるとチンミの名は中国全土に轟くことになり、国中の武術家がチンミに興味を示してチンミの所属する大林寺総本山へおしかける。
 そしてどういうわけか何ものかがチンミに賞金を賭けていて、チンミ暗殺を目論む連中が大勢の武術家に紛れて暗躍する。
 チンミは暗殺を免れることはできるのか、チンミに賞金を賭けている者の企みを暴き事態を収拾することができるのか……という筋書きで話が進む。
 
 
 
 ところで、この漫画、お話の流れはお約束のパターンがある。
 チンミの修業時代であれば……
 
 チンミが苦戦する
 ↓
 傾向と対策を練る
 ↓
 修行する
 ↓
 タイミングを外したり考察が不十分だったりして軽く失敗するが
 捨て身になって成功させたり咄嗟の閃きで状況を打開する
 
 ……このパターンから逸脱することがまったくない。
 
 チンミが修行を終えて師範になると、今度はチンミが強くなりすぎて、なかなか苦戦することがない。
 もはやチンミに比肩しうる敵を登場させることが不自然に思われるほどチンミの強さが確立している。*2
 誰を倒したかではなく、何人倒したかで強さが量られるレベル。
 となると展開は必然的に、「物量戦で疲弊しきったチンミvs敵のボス」という図式になる。
 
 ……このパターンから逸脱することがほとんどない。
 
 前のパートであるマウロン編も、まんまこの図式で、苦笑した読者は僕だけではないはず。*3
 
 ところが今回、チンミは物量戦を強いられているわけでもないのに窮地に陥ったり苦戦したりする。
 なにせ暗殺がテーマなものだから、徹底して奇襲・奇策をとる敵ばかり出てくる。こうなると実力の差が歴然としていてもチンミ無双とはいかない。
 そもそも舞台がチンミの地元だから味方の数がこれまでのお話と比較にならないくらい大勢いる。お話の構図も変わろうというもの。
 
 このままの構図で話がどう転んでゆくのか、それともどこかで従来の構図に戻すのか。
 なんにしても先が楽しみです。
 
 
 
 関連 過去エントリ
鉄拳チンミLegends、ハクシンと迫真のバトルの行方
鉄拳チンミが久々に面白かった - 備忘録の集積

*1:Wikipedhia調べ

*2:考えてみると凄いことだなぁ、長年の積み重ねで読者を説得してしまっているのだから。

*3:それでも期待して読んじゃう。