144ページ完結のWeb漫画『DUDS HUNT』が凄い、本当に凄い

 DUDS 読み「だす」 意味「不発弾、出来損ない」


ストーリー紹介

 少年院上がりのナカニシは嫌みな上司に罵倒され続ける退屈な日々にストレスを感じていた。そんな彼にネット経由で舞い込んできたゲームが“DUDS HUNT”だった。街中を舞台に他の参加プレイヤーからマーキーを力ずくで奪い取る暴力的なゲームに彼は高揚感を覚えハマっていくが――


とにかく凄い、明らかに凄い

 もう最近はWeb漫画なんてめっきり読まなくなったのですが、一、二年前は様々なウェブ漫画に目を通していました。最近、全描写が伏線のWeb漫画、 『胎界主』 が凄い、本当に凄い - 魔王14歳の幸福な電波にて過去に第一話だけ読んだ漫画が紹介されていたこともあって*1、これをきっかけに我がHD内のWeb漫画フォルダを開いたところ『DUDS HUNT』を見付け、再び読みふけってしまいました。
 洗練されたストーリーは贅肉を絞り落とされたスタイリッシュでマッチョな格闘家のごとくです。そのような格闘家が一見して尋常ではないと分かるのと同様に、一読してこの味は漫画だから出せるし漫画にしかだせないと分かってしまう出来映えです。
 読後、読者は計算された展開であったことを歯車ががっちりと噛み合う音と共に思い知るでしょう。しかしその作為/作意は作者という物語の構築者ではなくある登場人物の所有物として現れてくるのでもあります。何気なく描かれていたものが伏線として立ち上がり、一掃される瞬間(一掃の二文字には傍点をふらなければなりませんね!)、私たちは驚嘆し、その高揚感を自覚して作品に呑まれていた自分を発見するのです。


サクッと読めるのでサクッと読んでしまって下さい

 144ページなんてあっという間です。

*1:『胎界主』はまだ四話までしか読んでないんですけども。