タオルケットをもう一度2

 主観の世界に閉じこもることを美的に捉えるとき、自分をオタクだと思う。(というお話)


 ネット上には無料でプレイできるRPGが氾濫している。
 タオルケットをもう一度2(唐揚げタンポポ)もその内の一つ。
 宇宙人の侵略に地球が脅かされる中、初期から宇宙人達と遭遇していた主人公達が地球滅亡を阻止するべく駆け回る。が、状況は打開できず悪い方へ向かい続け、最後は主人公チーム全滅。その全滅の間際、最後に残った主人公とヒロインが極めて主観的かつ精神的な世界で結ばれて(そして二人とも死に)ゲームは終わりを迎える。


 現実は何ら実際的な解決手段が施されたわけでもなく、宇宙人は地球侵略を続けているわけで。バッドエンドには違いない。記憶喪失から復帰した主人公と身体を売るはめになったヒロインが最後の最後に結ばれ、次の瞬間には死ぬので、正確には鬱エンドというやつだ。


 圧倒的な鬱展開。鬱エンド。
 しばらくは呆然とさせられたが、強烈なインパクトのため記憶に焼き付き、鬱エンドもいいものだと思うようになった。
 しかし作者のブログによると「厨くさいのは嫌いだから作った」とあった。*1すなわち「お前らが好きなのはこういうのだろ、こういう絵に描いたようなクサイシナリオだろ」と嘲るスタンスだ。
 気に入っちゃったんだけどなー……。


 『フランダースの犬』のように、自分が幸福と定めた体験を経た後に人生なんて残らないという破滅の美学。





 レビューはこちらで。

*1:作者のブログは閉鎖されていましたので引用はうろ覚えです。キャッシュに残っていた文章によると馬鹿にされるためにゲームを作っているんじゃないとか。おへそを曲げないで続編を作ってください。