もう本当につれづれなるままに書かれた駄文

 仮にここに書かれる文章が駄文ではなくて、理路整然とした記事であったなら、題名は「漫画『嘘喰い』 斑目貘はなぜ帝都タワーで賭郎勝負をするのか」としたところか。
 というわけで、そういう内容のことを殴り書き。



 『嘘喰い』の「業の櫓」までの流れがイマイチ分かっていなかったが、何度目になるのか、今日も読み返してやっと理解できた。
 どこがどう入り組んでいて、誰がどこまでイカレていて、何がどこまでギャンブルなのか、やっと分かった。
 そもそもなぜ帝都タワーで賭郎勝負をしなければならないのかも分かっていなかったし。
 搦め手のこともよく分かっていなかったし。
 嘘喰いこと斑目貘が搦め手をしようとしているのかと思っていたし。
 
 ちゃんと文章で、登場人物の台詞を通じて、何が起きているか示されているというのにその意味を理解できていなかった。ちょうど、桁が増えるに連れその実態が曖昧になる大金のように、実態が分かっていなかった。(500億ってどれぐらいだ? カップラーメンいくつだ? 家を何軒買えるんだ? 全部スってしまうつもりでラスベガスへ出掛けたとして何時間で無くなる金額なんだ?)
 
 ていうか『業の櫓』への入り方が唐突で、ついていけないのは当然か。
 そもそもその前のテレビ番組の乗っ取り行為にどういう目的があるのか分からなかったし。
 二度読み返したときに「あ〜、Lファイルを活用するためにやってるのか」と《目的》は分かったけど、《目論見》は分かっていなかった。
 つまり「500億稼ぐ」ためであること。「Lファイルを活用している(現在進行中)」のではなくて「Lファイルを活用するための前段階である」こと。そしてLファイルを活用して何を得ようとしていたのかということ。もちろん「搦め手の功績」を得ようとしていたのだけど。功績を得るって……形あるものじゃないから大金以上に分かりにくいわっ。大金なら少なくとも現ナマとして可視化できるけど、功績って。
 そしてもちろん、功績を得なければならなかったのは、屋形越えに必要だったから。ってことすら、僕は読めていなかったのだから、唖然とする。なんてひどい読みだ。
 
 しっかし、無理だろ、無理!
 ギャンブルの才能がどれほどあっても、あんなギャンブル、無理だろう!
 まずテレビ番組がつつがなく進行しなくてはならない。というか、マキャベリーゲームで殺人事件の犯人が暴かれるようにもっていかなくてはならない。警察の捏造が明らかとなり真犯人が暴かれてこそLファイルを使う準備が整うから。
 でもまあ、それはいいよ、それは。梶くんがサポートしてるし、斑目貘は現場にいて干渉しているんだから、それはいいよ。
 でも賭郎組織から派遣されて来るであろう使い手に弥鱈立会人が勝てるかどうかは、完全にギャンブルじゃないか。そんなの予め勝算を見積もることなんて不可能でしょう、誰が派遣されてくるかなんて分からないのに。イカレてる。
 あと500億をことのついでに稼ぐって、これ、よく計算が立ったな! なんでこのLファイルを使うための前準備の段階と並行して稼ごうとするんだよ。ここで500億稼げなかったら屋形越えの資格はないと見なされかねないわけだろう。小市民の僕にはついていけない感覚。イカレてる。
 
 で、テレビ番組でLファイルの脅威を充分アピールできたから、搦め手の人員を受け入れさせることも可能となったわけだ。
 ここで僕はどういうわけか勘違いして、斑目貘がその人員を派遣するものと思ってしまった。「え、そんな信頼できる配下の者が斑目貘にいたっけ? 梶、マルコ、伽羅、カール……で全部なのに、その他に21人もの仲間がいたと……?」って、思ってしまった。いるわけねーっ。
 斑目貘が手にしたのは「搦め手の功績」だけっていうことが理解できていなかった。
 斑目貘から御屋形様に連絡を取って、「大手企業や有力な地方自治体の偉いさんをLファイルで脅しているから搦め手の人員を受け入れてくれるよ。だから御屋形様の配下の者を受け入れさせてやっていいよ。これは僕から御屋形様への貢ぎ物ですよ」と、まあ、もちろんそんな口調じゃないけども、そんな内容を伝えたと。メールでね。*1
 
 でも僕の勘違いもある意味では間違っていない(いや間違っているが)。
 というのは、斑目貘はいずれ屋形越えを果たすつもりだから、搦め手によって得られた権力もまたいずれ自分のものになると思っているから。
 
 
 
 そして勘違い二つ目。
 斑目貘は帝都タワーに移動するのだが、それはなぜか?
 ということも分かっていなかった。
 そこが電波ジャックの本拠地だから、としか分かっていなかった。
 本拠地だからこそ守らなくちゃいけないということが分かっていなかった。
 そして斑目貘にそんな力(暴力というのか武力というのか)はないっ! ということも分かっていなかった。
 僕はいったい何を読んでいたんだろうな。
 電波ジャックが行われているから、これはテロ行為。国が動く。具体的にはSATが動く。SATを排除して電波ジャックを続けるために、斑目貘はどうしたか?
 賭郎勝負をしたんだ。
 賭郎という組織は賭郎勝負を成立させるためであればSATとでも戦う! って、ちゃんと御屋形様もいってるのに、僕はいったい何を読んでいたんだろうな。*2
 
 斑目貘は搦め手の人員受け容れが完了するまでの間、電波ジャックを持続させなければならない。
 というわけで、彼にしてみれば、都合の良い雑魚を呼び寄せておいて、絶対に負けるはずのないギャンブルをやりながら時間を潰せばよかった。そのカモとして、Lファイルに名前の乗っていた議員を一人、帝都タワーに招待していた、と。
 ところが、議員はカモだったけど、議員についてきた虫がやたらめったらヤヴァイ連中だった、と。しかもそのヤヴァイ連中と勝負しなければならなくなった。
 電波ジャックを成功させるため、斑目貘は賭郎勝負を逃げられない。絶対に逃げられない。
 という状況だから、ギャンブル「業の櫓」が始まる。
 あー、難しい話。
 そりゃ一回や二回や三回読んだぐらいじゃ分からん。(僕の頭が弱いとかそーゆーのじゃなく)
 
 
 
 「業の櫓」も、ゲーム自体はシンプルだが、なんであんなヤヤコシイのだ。
 何もかもがヤヤコシイ。
 猫議員には捨隈がついていた。捨隈のバッグには鞍馬組がついていた、とみせかけて本当はアイデアルがついていた。(だから帝都タワーに鞍馬組とかカラカルが潜んでいたんだよなー。)
 という構図だけでおなかいっぱいだというのに。
 そも、無法地帯におけるバトルシーンが長すぎて肝心の数当てゲームに間が空きすぎて読者にはつらい。(別にストーリーテリングを非難しているわけじゃない)
 その数当てゲームにいたっては、まだ理解できていない。
 今からそれを理解しようと思う。
 
 
 というわけで、次回は「業の櫓の駆け引き考察」
 これは真面目なエントリにするつもり。
 そんじゃーね(笑)

*1:19巻130頁が該当箇所。

*2:19巻199頁が該当。