スイカのくせにメロン味

 それがいかなる食べ物であろうと、どういった量であろうと、祖母から与えられる以上は、受け取るのが孫の義務である。
 盆休みから冷蔵庫を占領していたスイカ(果肉は黄色)は、食べ始めればそれなりに手が出るが、その最初の一口が不思議と億劫であるし、冷凍庫のアイスの方が人気だったこともあって、いつまでもなくならなかった。
 今朝方、僕が相手をし、やっと壊滅状態へ追い込んだのであるが、すでに傷んで柔らかくなっている部分は捨てた。ぷるぷるしているその箇所は、柿が柔らかくなってゼリーのような光沢を持っているときと同様に見えた。一口だけ食べてみたが、甘すぎた。スイカのくせにメロンの味がした。色合いもメロンそっくりなのだ。
 ところで、僕は夜勤明けだったので風呂に入って汗を落とした。入浴後には冷凍していた桃を牛乳および氷とともにミキサーにかけた。通称は「桃ジュース」なのだが、作るたびに味が変わる。薄すぎる日もあれば濃すぎる日もある。ジュースの日もあればフラッペの日もある。
 ああ、日本中、そんなだったらいいのに。なに、品質が安定しない? ジュースかフラッペか買う前にはっきりさせろ? だったら、当たりが出るまで買えばいいんだ。ああ、日本中、そんなだったらいいのにな。