小学校入学前に読んでいた絵本と入学後に読んだ本

 何もできないまま今日が終わる。本当に何もできていない。無情なる休日。
 ブログを更新する気力もない。今週はおかしな具合だった。調子が乗らない日々が続いている。五月は速い。速すぎる。おかしな具合だ。おかしい。時計の針は回る。私はなにもしない。回る。目眩と吐き気を催しそうな怠惰と虚無。いやだわ、うっそうとして。

 だからだらだら書けない。
 列挙するだけ。
 子供の頃に読んだ&読んでもらった本を。
 誰のためにそんなことするんだろう。何のためにそんなことするんだろう。分からないが本棚を今からひっくり返してくる。

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 ヒャッハーッ! 懐かしい!
 『モチモチの木』だ。切り絵調の絵がやたらと雰囲気をあおる絵本。じいさんが腹痛でたおれこんでいるところなんて絵柄のために腹へと石を放り込まれた気分になっちまうよ。暗闇や岩肌、寒さ、そういった恐怖や苦痛なんてじさまのためなら関係ねえ。そうなんだ、勇気ってやつはだそうと思うものじゃなくて気がついたら出ているもんなんだ。
 『モモンキがんばる』もあった。おう、頑張れよモモンキ、仕事でいくらドジふんだってお前にしかできないことがあるんだよ、高い塔の天辺へ登ってペンキ塗るんだよ、そうやって立派な遊園地をつくるんだ。
 『SOS・SOS』カブトムシが昆虫界の警察役の絵本。お前、なに書き込んでるんだ、カブトムシを数えて全部で何匹って鉛筆で書き込んだのは誰だ、もちろん俺だ、お前何数えてるんだ、アリをよくも103匹数えたもんだなオイ。
 『おふろだいすき』うそつけ大嫌いだよ今も昔も。風呂場にウミガメとかペンギンとかでてきたら怖いって。アザラシとか鯨とかでたらもう半泣きじゃすまないよ。でもこうやって湯気で境界の隠された空間が絵本らしい空想力で広がっていく様は今でも大好きだ。
 『14ひきのこもりうた』成人してからも城が欲しい城が欲しい城が欲しいと思い続けているわたくしめの根っこには十四匹のネズミが住まうアスレチックのような住まいがあるに違いない。ああそれにしても城がほしいなあ!
 『おおかみとちびやぎ』絵がねえ子供心にねえ響かないんだよねえ絵本てそういうところあるよねえ、そういう絵本も多いよねえ、子供が自発的に手にするとは思えないような絵柄がたんとある。これもそうだった、鼻の穴に粘土詰められる気分のする絵なんだ、あるいはカイバ桶の匂いがする絵なんだ。誰が読んでやるものか。でも読んでしまってたんだ、なんでかなあ、結構なボリュームなのに、文字を追いかけるのがまだ苦手だったのに、なんでかなあ。この狼、狼じゃないだろう、悪魔かなにかだろう、夕暮れに一人残された子ヤギが狼の前で命尽き果てる恐怖に対面しながら機転をきかせて得意の笛を披露して飼い主の到来を祈るなんてハラハラさせるな畜生め。

 他にも色々読んでたけど特に『ふるやのもり』がわけわからんかったなあ、結局「古屋」ゆえに「雨漏りする」という意味の題名だとはまったく分からないまま小学校卒業してたはず、それこそ物語中に出てくる獣たちと同じで「フルヤノモリ???」状態だった。

 トラウマものの絵本の多さには唖然とさせられる今日この頃、絵本を卒業してからもトラウマものの童話を読んでいたことを思い出す。『さよならのなつやすみ』は泣いたなあ、ひいおばあちゃんが亡くなるというだけの筋書きの(小学校低学年向けにしては)長い物語をなんで読めてしまったのやら。もしかして、そんなものばかり読んでいたからか悲劇を避けて通るようになったのかもしれん、『ホタルの墓』とか未だに見ていないし。
 まだまだ『エルマーのぼうけん』『エルマーとりゅう』『エルマーと十六ぴきのりゅう』『もりのへなそうる』『ルドルフとイッパイアッテナ』とかいろいろ語りたいところはあるけれど、それは落ち着いてからでいいや。

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 なんかすこし楽になった。
 ……本棚の片づけをしなくては……。