病室に蔓延する咳のごとき愚痴をぶちまける

 ぶちまけろ。
 ぶちまけれ。
 ぶちまけて。
 ぶちまける。
 うん、ぶちまけるにしよう。ブッチというのは斑猫の名前のようであって何か愚鈍でのんびりとしていて人畜無害だが使い物になることもないものを思わせるし、まけるも負けるを連想させて丁度良いから。さあ、ぶちまけの時間だ。


 思えば先週の日曜日、BOOK OFFにベルセルクを買いに出かけて吉野家で兄弟の昼食として豚丼を用意してもらい持ち帰ったあとのあの寒気が風邪の始まりだった。インフルエンザから立ち直ったばかりの病み上がりの身体がどこで病原菌を拾ったかは知らないが、病の種――というよりは影だ、背後から忍び寄る感覚が影なのだ――が私に取り憑いたのは確かにあのときなのだ。微熱、咳、鼻水。典型的な風邪の症状*1。今週はそれを恋人のように侍らせて働き抜いた日々の積み重ねとなった。
 そして週末、すなわち今日、花の金曜日、私は昨日からの執拗な咳に苦戦しつつ、十四時間の労働を終えて帰宅し、死にかけている。その割には、はてな界隈をチェックしたのだが。先日から目の前をちらついているあのタイトルを昨日や一昨日と同じようにクリックし、不幸自慢の一人練習が始まる。なんとなく最近不調かな、と思ったら気をつけることだって? 目が覚めたらカーテンを開けて朝の光を浴びるだって? 朝五時に太陽が昇っていればなあ、畜生め! ああ、太陽が恋しいや! 以前に別のエントリで(集中力をつけるため云々というやつ)冒頭を飾っていたかどうかはうろ覚えだが確かこんな文句があった――九時間の労働を終えた後に集中力を欠いた時間を過ごしてはいませんか?――九時間で終わってくれりゃあなあ、いいなあ、夢のようだ、最近は十二時間きっかりで終わってくれりゃあなあと思っているくらいなのに、ああ!
 ああ、いかん、いかん、こんなことぶちまけてどうする? ぶちまき方も下手ときているのなら、ぶちまけないのが一番だ。明日は精神状態が手詰まりの時、とりあえずやったら楽になる方法あたりを実践して落ち着くとしよう。

*1:花粉や黄砂のせいかもしれぬが