車に大量の資金を投じる男。
その価値観がさぁっぱり分からん。
漫画『頭文字D』は楽しめるから、車の魅力が分からんというのじゃないらしい。
だが、あんなのは乗り物じゃないか。
移動の手段として活用できればそれでいいし、荷物もある程度載せられればそれでいい。そのような道具に対して高額の税金を納めたいとも思わない。
しかし、そういえば、車に金をつぎ込んだこともあったっけ。
ミニ四駆だけど。
ありゃあ、金食い虫だった。
小学生には辛すぎた。
当時の私は一ヶ月の小遣いが千円だった。
長男だから、この額でも破格の待遇だ。(弟は学年×100円だったから、小学生の内は最大でも月に六百円)
コロコロコミックスが400円
ミニ四駆一台が600円
これで小遣いはパァだ。
これだけではミニ四駆は動かない。
モーターが一個240円
バッテリーも必要だ。
パーツもつきもの。
シャープなイメージで格好良かったナローワンウェイホイールが550円
青いカラーが魅力的だったスポンジタイヤが240円
外見的には全く分からないパーツ、中空シャフトが……いくらだったっけか。
大型のローラーは格好良かったが600円くらいで手が出ず、子供の目から見ても明らかにコーナーリング性能が上昇しそうな14ミリベアリングローラー400円にしておいた。
やっぱりスタビライザーポールはつけたいし、ギアも超速ギアが魅力的だったし、モーターはレブチューンとトルクチューンの両方が欲しかったし、ミニ四駆は一台かぎりというわけではなかったし。
コロコロは毎月購読するから、一ヶ月ごとにミニ四駆へ投じられる資金は600円ぽっち。小遣いの使い方はかなりシビアになった。
(注 金額は曖昧な記憶を辿っただいたいの額です)
「ミニ四駆」ブーム再燃か? を見て、懐古したというだけの話。
久々にカタログを見てみたら、子供の頃に心躍らせた車体はどぎついカラーリングをしていた。それでもベルクカイザーに対する美的感覚はあの日のままだ。
更に懐古すると、フルカウルミニ四駆の初期のシャーシであるタイプ1シャーシのフロントバンパーはあまりに脆すぎた。あれ、なんで改善されないまま長らく採用されていたんだろう、子供心に首をかしげていた。
次に主流になったTZシャーシは頑強なフロントバンパーをしていたなぁ。
トライダガーXが好きだった。
屋外にある溝をコース代わりに走らせた。
汚れるのは分かっていた。
汚れたらギア単位までばらして洗った。
いつ頃まで買っていただろう。最後に購入したもっとも新しいミニ四駆はサイクロンマグナムだった気がする。
金がかかるという現実を前に、私は、シミュレーションなら無料でできると考え、パーツに手出ししなくなり、やがて現実のミニ四駆ではなくゲームのミニ四駆で満足できるようになった。メリットが大きすぎた。
昔、高校の友達はいっていた。「外の溝でミニ四駆を走らせているやつらを馬鹿だと思っていた。あんなの走らせるものじゃないし。飾って眺めるものだろ。だからリアルミニ四駆が出たとき、これがあるべき姿だと思ってた」
ミニ四駆を買わなくなっても、ミニ四駆のアニメは見続けていた。
今でも『爆走兄弟レッツ&ゴー』シリーズは面白いアニメだったと振り返られる。WGPが特にいい。MAXも、必殺技が格好いい。マックスストームとかナックルストームとか。
ミニ四駆のことをよく知らない親が、フルカウル全盛期なのに世代の古いのを買ってきたこともいい思い出。
で、不思議と名前も覚えている。シャオバイロンとホーミングゴースト。多分。
……。
なに語ってんだろう……。
そんな私の車はホンダのFITです。
ブリリアントブルーのボディが美しい。(既に二回擦りつけてしまった)
評判はよろしくない。センス悪いとか、お前には似合わないと何度いわれたか。なんでそんなに批判されているのか分からん。