猫も杓子も

私が書斎の掃除を万事のこりなく終えて台所と居間の手入れをこちらは手抜きにて仕上げた後にコーシーなど淹れて書斎に戻ってみれば、風を通しておくために開け放していた窓から入り込んだのか黒猫が一匹通販で買ったロッキングチェアの上に座して前足で机の…

ワンピの敵役賛美?――ゴッド・エネルの絶望顔

空島編の評価は低い 『ONE PIECE』で人気のあるボスキャラといえばゴッド・エネル。ゴロゴロの実を食った雷人間。わかりやすすぎる。ゴッドを名乗るにふさわしい威力・規模を持つ能力だった。少年ウケがよかったものと思う。 で、それほど印象的なボスが登場…

多忙であると推測される

七月に入って所属する部署が変わり、検査員のやうな立ち位置からクレエム対処係のやうな立ち位置へ変わつたことで、出勤時刻も午前六時であつたところが午前八時になつた。夜勤もなくなつてしまつた。周囲はそれで楽になったであろうと私の肩を叩く。さうで…

君が来ることを知っていた

君がうちに来ることは、君の存在を認知したときから分かりきっていたんです。朝礼で社長が話してくれたときから僕には分かっていたんです。社長はいいました。幻のー(ではなくてー)、あー、究極のー、讃岐うどんとやらが、十個贈られてまいりました、えー…

死体安置所

うちにはトドがいた。みなさんの家にも一頭ぐらいいるのじゃないだろうか。床の上で寝入ってしまう生き物が。ぐでーんとか、どどーんとか、そんな感じでふてぶてしく脱力して場所を取っていびきを掻いているやつが。揺すってもなかなか目を覚ましてくれず、…

まあいいなって感じのマイナーアニソン

あー忙しいまた寝てまた起きてまた仕事だ日曜日の朝に帰宅だでもその前にブログ更新だ。今日は何しようかな、何したっていいんですよね、だって僕のブログだものウフフ(だいぶきてるみたいだ)。 今日はてきとーに動画を張り付けてみよう。ネットが普及して…

頽廃する夢

だだっ広い草原に一軒の家を持ちたい。訪れるものは風だけの寂しい場所で惚けて死にたい。遠くでぽつり、ぽつりと立っている木は書割なのか、歩み寄って確かめる意欲すら乏しい死んだ心で空を見上げる。神話に曰く巨人の脳が雲となった。神話の語り手を笑う…

ルーシーのモデル

シャーリズ・セロン(Charlize Theron)の美しさを今更私の口から語る必要はない。語れるほどよく知りもしない。ただ、見るにつけ、絵に描いたような美形だと思う。絵に描いたような――二次元でももてはやされそうな――と考えて、なにかひっかかる。 似ている…

スピッツ・ベスト10

このエントリのOP曲として あわてないできいてね、あわだけに。(←脳みそババロア) スピッツが好きだー! 大好きだー! と、叫びたい夜がある。夜だけでなく、朝も、昼も、叫びたいときは叫びたい。 時間泥棒のWikipediaでスピッツの項目を読み繋いでいると…

ミシシッピーの夢

雲が虹色に染まる時刻は、地平線も、水面も、虹色に染まる。波状に広がる雲の美しさを日常の鈍い感覚で無視する二匹の狼は、浅瀬の先に原住民の筏を見る。縄で縛って渡した八キロもの木の板のその上を軽快に歩く夢を見る。冬になれば川は氷り、筏の渡された…

ささいな夢

焼いたCDから槇原敬之の『どんなときも』が流れていた。 どんなときも どんなときも ビルの間 窮屈そうに 落ちていく夕日に 焦る気持ち 溶かしていこう 赤信号で停車する車。普段と違って人気のない歩道。時間が止まっていた。特別美しく見える夕日を見なが…

洞窟物語物語〜血塗られた聖域〜

地響きの中核へ向かいながらも地響きから遠ざかる感覚。圧力でひしゃげて開かなくなってしまった扉のある小屋の、壊れた床穴から飛び降りて宙を泳いでいるためか、彼の足下はおぼつかない――はたまた、地の底の重圧を感じてなのか? 黒い風が吹く。不安はある…

遠い耳

英語の授業でリスニングがあってもまったく聞き取れなかった。教師は様々なコツを説いたり助言をくれたり慣れの問題だと言ってくれたが、本質的な問題がどこにあるか、私はよく知っていた。英語がどーとかじゃないのだ。日本語だって聞き取れないのだから。…

ONE PIECE 巻五十八

発売日から数日経っていますが、ワンピース最新巻、やっと読めました。読みました。 今回の巻はすごかった。いつもすごいが、今回もすごい。前巻よりもすごい。 それにしても、望ましい精神状態で読めたことがありがたい。コミックス派にとって、それは大事…

モグリ

書かなければ時間がない。決定的に――。 平日は忙しい。書くためにはまとまった時間がいる。短い時間を数珠繋ぎにつなぎ合わせることでは到底辿り着けない境地がある。そこは深いから、潜っていくために準備運動が必要だし、息をたっぷり吸い込まなくてはいけ…

本が届いた

非実在会社ではない実在会社はてなのブログ書籍化サービス 今週はずっと忙しかった。どれくらい忙しかといえば、はてなハイクで「おはよう」を投稿する気にもなれないぐらい。よく事故を起こさずに済むと我ながら感心するバッド・コンディションで帰宅し、す…

俺の赤い星

面白い漫画やアニメって、美味しそうな食事シーンが多いよね、と彼はいった。僕の脳裏には「モニュ、モニュ」と肉を食べるグラップラーの姿や骨付きの肉にかぶりつくジブリスターズの面々がよぎる。彼もその辺りを語るだろうと思って、相づちを打ちながら話…

続々・筆銀物語

ペンギンの朝はいいことをいうところからはじまる――否、はじめるべきである――と考えた格好付けのペンギンは足下を見ながら考える。 「やあ兄弟、何を落ち込んでいるね?」 「おや、おや――」 格好付けのペンギンは顔を上げ、上げた勢いで首をぐるりと回す運動…

『人生論ノート』――死について

近頃私は死というものをそんなに恐ろしく思わなくなった。年齢のせいであろう。以前はあんなに死の恐怖について考え、また書いた私ではあるが。 哲学者である三木清の『人生論ノート』は私の愛読書だった。ここのところ繙いた記憶はないが、すでに二桁に達す…

スランプを脱する薬が欲しい

文学的守護霊 ここ二ヵ月間の執筆量が通例の半分を下回っている理由は、書きたいことがないためではなく、書きたいことが多すぎるからだ。夜空を流れる一筋の星は美しいが、満天の星の全てが銘々で思うままに飛び交い始めたならもはや収拾のつかない事態にな…

逆メタボ

スティール・ボール・ランのレビューを書こうと思い立ってずいぶん経つが未だに書けていない。準備中ですらない。 忙しいとは罪なことだ。 スティール・ボール・ラン (1) ジャンプコミックスposted with amazlet at 10.04.22荒木 飛呂彦 集英社 おすすめ度の…

とりとめなく。ねがい。

家族と団らんを交えて夕食の席に着いた後、試しに買ってきた缶コーヒーを飲む。ダイドードリンコ株式会社のデミタスコーヒーを美味しくいただけて気が安らぐ。王様はロバの耳でお馴染みの王様の名前がデミタス王だったかデミダス王だったか忘れたが、そこか…

諸君、私は筋肉が好きだ

最近、多くのサイトで『鉄風』という漫画のレビューをよく見かけました。総合格闘技を取り扱った女子格闘漫画です。 私が見てきたレビューはどれも同じ調子で同じ特徴を語っていました。本来ならライバル役に起用するであろう性格の登場人物を主人公に起用し…

保留

097 第六章続き - 物語の紡ぎ手と虚構の住人 「僕は、今にして、レイクが調査員を募集した最大の理由を悟ったよ。あの調査団のぼんぼんは、進路を切り開くための駒を欲していたってわけだ。僕らのことを農耕用の畜生程度に見ていたわけだ」「そうよ、あのぼ…

会話が成り立たない

098 第六章続き - 物語の紡ぎ手と虚構の住人 「てめえら馬鹿か、そんなんで山猫がとれるかよ!」 何がそんなに逆鱗に触れたのか知らないが、彼の怒りは凄まじかった。顔が真っ赤になったかと思うと鼻血を出した。一目で剛毛と分かる真っ黒の口ひげに赤い液体…

095 第六章 - 物語の紡ぎ手と虚構の住人 朝、葉の上には露がひとしずく乗っかっていた。旅の相棒は僕よりも先に起きて、露を舌先で舐めて回っていた。相棒は、本日中に人里にたどり着けると安請け合いした。彼女はそして僕の横を音もなく通り過ぎていった。…

書きたい欲望、読まれたい欲望

こう考えてみてはどうだろう? 書きたい欲望と読まれたい欲望は別個のものである、と。 どうしても読まれにくい形でしか書けず、しかしそれが自分にとって解毒作用を期待しての急務であるというのなら、そのように書くしかないのだから、逃れようがない。 だ…

セキセイインコのセイテキコウフン

ペットを飼うことに否定的な意見を持つのは、単純に彼の世話をするのが億劫だからだ。糞便が汚いということもあるし、餌をやる出費のこともあるし、何より、死なれては気分が悪い。あるいは病的な強迫観念のせいでもある。籠に入れられている鳥、ケージをう…

ダーダリンダデーダリン

ライライ、ライラライ♪ ライラライラライラライ♪ ――ではなくて、この歌に出てくる「謎のおじさんバルタザール」の歌が聴きたいのに、探しても見つからない。 無性に聴きたくなってきた。 ダーダリンダデーダリン、ダーダリンダドン 頭にこびりついている。 −…

はてな放浪記、読み物を求めて

はじめに 私は脳髄の空腹を満たしてくれるような美味しい文章に出逢ったとき、ブックマークで「読み物」のタグをふってとっておくのですが、気が付けば「読み物」タグをふった記事は百を軽く越えてしまっていました。 はじめの頃こそ「読み物」タグのなかで…