失笑

ここのところブログの更新をしていなかったようだから更新しようと思いたった。 ところで自分のブログに対して《更新していなかったようだ》と推量を用いるのは妙な気もする。自分のブログであるしウェブ上の履歴であるから即座に確認できる。さらには大雑把…

倍と二倍

登場人物 ミスリィー 20歳 レイラ 9歳 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ねえ、ねえ、ミスリィー、あのね、レイラ、ちょっと、ちょっと知りたいから、ちょっと教えて欲しいんだけど」 「え、やあよ、今忙しいんだから」 「ちょっとでいいから、ちょっとですむの…

『人生論ノート』――虚栄について

▼p39 虚栄は人間の存在そのものである。人間は虚栄によって生きている。虚栄はあらゆる人間的なもののうち最も人間的なものである。 三木清『人生論ノート』 五つめの章――虚栄について 人生論ノート (新潮文庫)posted with amazlet at 12.07.01三木 清 新…

人生論ノート――習慣について

▼p34 私が恐れるのは彼の憎しみではなくて、私に対する彼の憎しみが習慣になっているということである。 それでは、実に10ヶ月ぶりになりますが、人生論ノートのエントリをはじめさせて頂きます。 三木清『人生論ノート』 四つ目の章――習慣について人生論…

近くて遠い二人の距離を

書くことを控え、推敲に没頭していると、最近曖昧になっていた読書の美的感覚が蘇ってきた。これがあるから僕は小説を読むのだなという感覚。 それはそうと、自筆の小説を推敲していると、ここぞという結びの場面で「遠くて近い」という表現が出てきて、僕は…

『嘘喰い』業の櫓の駆け引き考察

理解できなかったので、理解の助けに個人的にまとめる。 賭郎勝負 [業の櫓] 賭郎会員 斑目貘(とマルコ)vs捨隈悟(と雹吾) 賭の対象 搦め手の功績(屋形越えの権利)と500億円 賭の場所 帝都タワー 勝利条件 帝都タワー最上階に設置された端末に2桁の正…

もう本当につれづれなるままに書かれた駄文

仮にここに書かれる文章が駄文ではなくて、理路整然とした記事であったなら、題名は「漫画『嘘喰い』 斑目貘はなぜ帝都タワーで賭郎勝負をするのか」としたところか。 というわけで、そういう内容のことを殴り書き。 『嘘喰い』の「業の櫓」までの流れがイマ…

漫画に見るミオスタチン関連筋肉肥大

筋骨を肥大化させるミオスタチン関連筋肉肥大(myostatin-related muscle hypertrophy)と呼ばれる体質があります。この体質にあるものは筋量が常人の1.5〜2倍になる可能性があります。 どうです、格闘漫画で取り扱うネタとして魅力的ではありませんか? 実…

あーんスト様が死んだ!

タイトルの元ネタについてエントリを書こうと思ったのだが。 さすがに他の人がやっているはずだよなあ、とググってみると、案の定というか。 ピクシブとニコニコの百科事典でしっかりと掲載されてやがりました。 あーん!スト様が死んだ! (あーんすとさまがし…

表現の恐怖と羞恥

中村光夫『風俗小説論』エントリ 蛇足風俗小説論 (講談社文芸文庫)posted with amazlet at 12.04.23中村 光夫 講談社 売り上げランキング: 210777Amazon.co.jp で詳細を見る中村光夫 『風俗小説論』 p30-31 この「言いがたき秘密」を胸底に抱いていたとき、…

近代リアリズムの崩壊について

中村光夫『風俗小説論』エントリ第4回。風俗小説論 (講談社文芸文庫)posted with amazlet at 12.04.23中村 光夫 講談社 売り上げランキング: 210777Amazon.co.jp で詳細を見る プロレタリア文学と新感覚派文学 P115 「新感覚派文学もマルクス主義文学も、共…

日本の近代文学の遷移

中村光夫『風俗小説論』エントリ第3回。 のはずが、内容は中村光夫と無関係。 今回の一連のエントリを書くに当たって文学史のおさらいをしたが……おさらいもなにも、そもそも もとから頭に入っていなかったようだ。 調べてみるとごちゃごちゃしていて頭に入…

近代リアリズムの変質について

中村光夫『風俗小説論』エントリ第2回。 風俗小説論 (講談社文芸文庫)posted with amazlet at 12.04.23中村 光夫 講談社 売り上げランキング: 210777Amazon.co.jp で詳細を見る 西欧と日本の自然主義文学比較 西欧文学史で近代自然主義が台頭していた時代、…

近代リアリズムの発生について

中村光夫の『風俗小説論』の二周目を終えたので、私的メモ――まさに備忘録的な――としてエントリをあげます。 ※注意点 ・全4回のエントリ ・私(ブログ主)は日本文学に疎い。*1 ・『風俗小説論』の最後で語られる作家 丹羽文雄 についての一連の批評は氏の著…

子供を笑顔にする魔法の言葉

登場人物 ミスリィー 19歳 レイラ 8歳 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ねえ、ミスリィー、ミスリィー」 部屋に駆け込んで来たレイラは、ただいまをさしおいて執拗にミスリィーの注意を引いた。 「外から帰ってきたなら手を洗いなさいよ」 「うん!」 レイラは…

格闘漫画における猪木――生野勘助

『格闘漫画における猪木』という題名でエントリをいくつか書こうかなと思っていたが、Wikipediaで前調査をしてみると、これが意外に多かった。 猪木をモデルとした架空の人物・キャラクター マンガ・小説 国会議員(浦安鉄筋家族) グレート巽(餓狼伝) 猪…

万馬券の予感

昨夜から右上の歯茎がしみだした。 昼食の「豆腐の牛肉あんかけ」が熱かったので火傷したのだろうと見なした。 しかし、本日の昼食でも結構堪え、なにやら様子がおかしいと感じた。 仕事を終え、帰宅し、夕食後に手鏡を口の中に出し入れして確認したところ、…

問題点と層の話

どうにも小説がうまく書けなくなって、もう一年経つことになる。 放っておけば自然に解決されるだろうと、必死に楽観視していたが、これといって改善されなかった。非常によろしくない事態である。 しかし少しずつだが問題の核心が見えてきた。 僕はもともと…

子ブタ三兄弟

偉大なる長兄から次男坊へ この度は独立して家を建てねばならぬことになったが、 諸君の偉大なる兄は建築を億劫に思っている。 ゆえに藁で家を建てようと思う。 雨風を防げればそれでよいのだから。 しかし狼に襲撃される恐れは拭えぬ。 そこで貴殿の家には…

SBR完結を祝して――多次元の勝利者

ジョジョ第八部であるジョジョリオンも1巻目が発売されました。 そんな時期に、今更ですが、ジョジョ第七部であるSTEEL BALL RUN (以下SBR)について少し書きたいと思います。もちろん、未読の方はネタバレに注意して下さい。その辺りに気を遣うつもりは…

美しき世界

ばあちゃんが白内障の手術を受けている。 なんでも片目ずつ手術するそうで、右目か左目か知らないけど どちらかの目は去年末に手術が済んでいる。 正月前におせちを届けにばあちゃんの家へ訪れたとき、ばあちゃんは空が青いことに驚いたと言っていた。 なん…

七年目の浮気

「七年目の別離」 肌身離さずは大嘘だけど 長いつきあい 腐れ縁。 別れの話を囁く周囲 背に腹は代えられん。 僕は君を好いているけど そんなことはお構いなし。 外部が別れをせかすから 黙っていいなり 愛想なし。 それの扱いが恋人への態度 心理テストがい…

ベートーベンだよ全員集合!

月に一度は懐かしのアニソンを求めて2chスレまとめサイトを閲覧する。記憶の片隅からこぼれ落ちそうな古いアニソンに巡り合う、そんな機会を求めている。最近ではF先生原作のアニメ『ぽこにゃん!』のOP曲『賽は投げられた』を発掘した。大事MANブラザー…

流れ星を追い越して、そのスピードを感じてる

スピッツの『どんどどん』を何度も聴いている。歌詞の意味は考えない。考えないようにしている。でも考えてしまっている。 覚えようとしない限り覚えられない。それが歌詞なる存在。歌詞表を見て歌詞を暗記する前と後で、曲に対する印象がまるで違う。と気づ…

ONE PIECE 64巻

ONE PIECE 64 (ジャンプコミックス)posted with amazlet at 11.11.15尾田 栄一郎 集英社 (2011-11-04)Amazon.co.jp で詳細を見る 64巻か。先は長い。 書き手が「折り返しを過ぎたところだ」といったところで、それを信じてはいけない。いや、事実ストーリー…

悪態をつくことの痛快さ

「ドラえも〜ん、なにか面白い本出してよ」 「しかたないなぁ、のび太くんは。ひ〜び〜の〜あ〜れ〜こ〜れ〜」 「さすがドラえもん! で、それ、どんな本なの?」 「見当違いの批評家をコケにしているエッセイだよ。」 ・前回エントリ(2011-11-06 - 備忘録…

抱腹絶倒のエッセイ

目白雑録 (朝日文庫 か 30-2)posted with amazlet at 11.11.06金井 美恵子 朝日新聞社 売り上げランキング: 185931Amazon.co.jp で詳細を見る 金井美恵子の作品はどれも難解――というよりは読むという行為には読む対象に応じてそれなりの訓練を要するのであり…

人生論ノート――懐疑について

三木清『人生論ノート』 三つめの章――懐疑について。 人生論ノート (新潮文庫)posted with amazlet at 11.09.14三木 清 新潮社 売り上げランキング: 24092Amazon.co.jp で詳細を見る 節度ある懐疑について この章の主題である「懐疑」については、特に難しい…

スイカのくせにメロン味

それがいかなる食べ物であろうと、どういった量であろうと、祖母から与えられる以上は、受け取るのが孫の義務である。 盆休みから冷蔵庫を占領していたスイカ(果肉は黄色)は、食べ始めればそれなりに手が出るが、その最初の一口が不思議と億劫であるし、冷…

The Long Goodbye

レイモンド・チャンドラー作の『The Long Goodbye』は、2007年に村上春樹訳が『ロンググッバイ』の題名で出回っているため御存知の方も多いと思うが、私は清水俊二訳の『長いお別れ』で本作に触れた。私立探偵のマーロウ氏により一人称で語られるハードボイ…